日本フレスコボール協会(JFBA) オフィシャルブログ

一般社団法人日本フレスコボール協会のオフィシャルブログです。フレスコボールは、地球の裏側ブラジルはリオデジャネイロ発祥の新感覚のビーチスポーツで日本では2013年に協会が設立されました。当ブログでは、日本のフレスコボールの情報はもちろん、世界各国のフレスコボール協会や団体、大会の情報も発信します!思いやりのスポーツ、フレスコボールにご注目ください。

【フレスコボールとの出会い】

僕がフレスコボールというスポーツに初めて出会ったのは、一昨年、2013年の夏でした。

三浦海岸で現日本フレスコボール協会代表理事の窪島さんと共に運営する海の家に、彼がブラジル出張の際に見つけて買って来た数本のラケットとボールに触れたのが最初でした。

始めての印象は「なかなかオシャレなラケットじゃん!」「え、ブラジル版羽子板!?」

というところでした。僕は20年以上前にテニスをかじっていたこともあり、ボレーボレーの要領でスローで打ち合う程度はなんとなくコツを掴むことができ、そのポコッ!ポコッ!という独特な打感が心地よくてすぐに好きになりました。まさかこの先自分がワールドカップに行くことになるだなんて、全く想像もしていませんでした。。(苦笑)

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【愛すべき世界のフレスコボーラー達】
昨年末そのメキシコワールドカップオーガナイザーの招集でスペインに行く機会があり、そこで本場ブラジル(元ブラジルチャンピオンのマリオ氏のインタビュー)、メキシコ、ドイツ、スイス、ギリシャ、そしてスペインといった各国から代表選手たちと昼夜をともにすることで、僕はフレスコボールの本当の魅力を知ることとなりました。

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当然国も人種も言葉も違うし、個性的な面々が、たった数日間でまるで家族のように親しくなれたのは、この“フレスコボール”というスポーツを愛するというたった一つの共通項で結ばれたからです。

朝から晩までとにかく練習で打ち合い、夜は飲んだくれる毎日でしたが、それは彼らと“魂のラリー”を交わした幸せな時間でした。しかも彼らが教えてくれたのは、技術だけでなくフレスコボールというスポーツに込められた素晴らしいほどの“哲学”だったのです。

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【〜Feel rhythm!!〜】

フレスコボールの基本ルールは、本サイトを観て頂ければお分かりになると思いますが、この競技で最も評価される点は、互いの攻守のバランスとスピードです。片方がオフェンスモードに入れば、相手の取れる範囲という条件の中で思い切り打ち込む、そしてディフェンスはそのとんでもないスピードの球を返し続けなければならない。攻撃と防御と同時に双方がいかに相手に打ち易いボールを返すか、、この矛盾したラリーを実現するには、とてつもないほどの技術が要求されます。


しかし、どんなに上手い選手でも必ずボールが乱れる瞬間が訪れます。そのときに相手が体制を崩してなんとかリターンしたボールに対し、いかに相手の乱れた体制や呼吸を整えるよう、次に繋げられるボールを返すことが出来るか。これがまさに“rhythm”なんです。

リズムの本来の意味はご存じの通りですが、この“rhythm”こそがこのスポーツに最も必要なことであり、実はこの言葉の中には“常に相手を気遣うこと”という意味が含まれているのです。

そう、ペア競技であるフレスコボールは、人間としてのやさしさ、相手への思いやりを持っていなければ本当に上手くなることは出来ないのです。


これを教えてくれたのが、何故か現在スイス在住の陽気なブラジリアンのサンドロでした。

彼が僕に練習をつけてくれたときに、常に「Hey Takashi! Feel rhythm!rhythm!」と叫んでいました。

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ラリー中に「Hit me !!(打ち込んで来い)」と言われ、スピードを乗せて打ち込むも、まだ未熟な僕のショットは相手の取りにくい場所へ飛んで行きます。しかしサンドロはさすがの反応でそれをキャッチするも、そのボールはやはり難しいコースとなりこちらにとっても体制を崩してのショットとなるため、お互いの“rhythm”が乱れる瞬間となります。そんなときに彼は、「Easy〜! Easy〜〜!!(やさしく、やさしくだ)」と叫ぶのです。

相手にやさしいボールを返すことでお互いの体制と呼吸を整え、そしてまた攻守を切り替えたスリリングなラリーが始まる・・・この他のスポーツにはない独特の“rhythm”が僕を魅了させて止まないのです。


【フレスコボールに込められた哲学】


このスポーツに最も必要なことは、技術はもちろんですが人としての本質を鍛えることにあると、僕は感じています。

事実、世界のフレスコボールのトップ選手達は、結構いい歳のオッサン、オバサンも多いのです。(失礼!)、若い頃は己を鍛え上げ、他人に競り勝つことを美徳とする考えが、もちろんメジャーなのでしょうけれども、歳を重ね、様々な経験を積むと「勝ち負けだけが人生じゃない、人としての幸せは誰かと紡いで行くこと、“Feel rhythm”そのものなんじゃないか?」そう思えてくるのです。

 

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これはあくまでも僕が世界のフレスコボーラーと打ち合い、語り合った彼らの“情熱”から感じ取ったものですが、フレスコボールを楽しんでいる年齢層の幅の広さも、そういう人として“円熟”があってこそ、このスポーツの真の魅力に気づいてやり続けている人たちが多いからではないかと思います。
 


【侍フレスコボーラー、そして日本代表として】

偉そうなことを書き綴ってしまいましたが、本当にまだまだ駆け出しのフレスコボーラーです。

しかも40歳です。にも関わらず、3月にメキシコで開かれる第1回ワールドカップに日本代表として出場して参ります。

日本の真裏、ブラジルで70年も前に生まれたスポーツを、まだ日本で始めて1年ちょっとのメンバーが国の代表として行く訳ですから、まさに映画の「クール・ランニング」!(笑)

でも、何もしないよりも恥をかいてでもチャレンジするんだ!という心をもって、そして何より楽しくて素敵なこのフレスコボールというスポーツをここ日本でも一人でも多くの人に体験してもらえるように頑張って行きたいと思います!応援、宜しくお願いします!!

Let’s play frescoball with us!!

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2015.1.16 第1回フレスコボール ワールドカップ日本代表 

後藤隆志