「FRESCOBALL JAPAN TOUR 2025」の激しい代表争いを勝ち抜いた日本代表選手たちが、2025年12月6-7日にブラジル・リオデジャネイロ・コパカバーナビーチで開催された「フレスコボールブラジル選手権2025〈CIRCUITO CARIOCA DE FRESCOBOL 4°STAPA – COPACABANA〉」に出場しました。

TOP div.の日本代表ペアに加え、初派遣となるマスターカテゴリを含む6ペアの日本代表ペア。
そして、今大会から新設されたFEFERJとの連携プログラム「交流枠」を含めた総勢22組の結果を、同選手団に帯同した杉村秀樹(JFBAローカルコミュニケーションマネージャー)の視点から本ブログにてご報告します!
会場はブラジル・リオデジャネイロ州のコパカバーナビーチにあるBolívar(ボリバール)というフレスコボールスポット。
フレスコボールの聖地としても有名なコパカバーナで、「この地でフレスコボールが生まれたんだな」と、初ブラジル渡航の杉村はとても感動していました。
12月のブラジルは日本とも全く気候が違って、私の住む宮城県とブラジルでは30℃ほど気温が違いました。ブラジルに着いてから数日は、気温の高さに適応できずに2時間ほどしか練習ができない状態でした。4、5日間経つと、少しずつ1日ビーチにいてもしんどくなくなってきましたが、とにかく日差しが強かったため、日本人選手はかなり日焼けに苦しんでいました。
12月6、7日の大会に向けて、約1週間前からぞろぞろと日本代表に選ばれた選手たちがコパカバーナのビーチに集まってきました。
なおブラジル選手権のルールは、基本的に日本の「Top Div.」と同じくスピードガンシステムを用いたルールを適用しております。
■ブラジル選手権ルール(日本と違う部分)
・予選+決勝の2部制
初日に予選を行いその上位5組が2日目の決勝に進出。1日目と2日目の合算値が最終得点となり順位が決まります。
・アタックバランス (ペア間で得点の差が30%以上開くと無得点化)
差が出た場合でも高得点者の個人スコアは加算されますが、差が解消されるまで試合の最終得点には含まれません。試合終了時に差が残っていれば、その加算分は無効になります。
・コンボボーナス
ブラジルではコンボボーナスはありません。
・落球数による強制終了
20回目で試合打ち切り。それでは日本とブラジルでのルールの違いを理解したところで、大会戦績レポートをご紹介していきます!
■男子Aカテゴリ

<男子カテゴリA 2位>岸田直也&宮脇勇輔ペア

岸田直也&宮脇勇輔ペアは、1日目の予選では2位に着地。2日間の合計得点で順位が決まるため、予選1位ペアとの得点差は2,624点。決勝ではさらに攻めて、30,000点を超える得点が必須となる状況。逆転を目指して前日以上に落球に慎重になりながら80km/hを超えるスピードを1球でも積み重ねていきたい展開に。結果は30,754点で、日本人ペア初の30,000点超えを叩き出しました。その後、予選1位ペアは34,074点を計測し、最終結果は日本男子ペア初の準優勝。2025年6月には五十嵐&赤塚ペアが日本男子初の決勝トーナメント進出という歴史的快挙を果たしましたが、岸田&宮脇ペアも日本勢の流れに乗り、表彰台に上がる大きな快挙を果たしました。Parabéns!!! おめでとうございます!!!
日本シーズン中もぐんぐんと成長する2人のラリーでしたが、ブラジルでの約1週間で精神的にも、技術的にも大きく成長した模様。宮脇選手はアタックの調子が良すぎて、抑えようとする場面も。そんな中でブラジル慣れしている岸田選手の落ち着いた声かけやプレーでバランス力のあるラリーを見せてくれました。
■女子Aカテゴリ

<女子Aカテゴリ 2位>落合真彩&大和地未沙子ペア

FRESCOBALL JAPAN TOUR 2025 女子カテゴリ年間ランキング1位の「落合真彩&大和地未沙子」ペアがブラジルでも躍動しました。ブラジルの女子Aカテゴリでは15,000点以上は取っておきたいという基準の中、予選では16,104点と2位につけ、1位との差は673点。落球1つ、アタック1つが勝敗を分ける試合となりました。優勝も視野に入る点差で、翌日の決勝へ。
決勝の舞台は独特な緊張感の中でスタート。見ている周りの選手にも緊張感が伝わるほどのプレッシャーを跳ね除け、最後の1アタックまで見逃せない展開となりました。結果、予選から2,435点も上回る18,539点に着地。今シーズン最後の2人の試合は、ブラジル選手からの応援の声も多い中での、とてもあたたかい会場に包まれていました。続くCarol&Marcelaペアが予選・決勝どちらの点数も少し上回り、落合真彩&大和地未沙子ペアは男子に引き続き準優勝となりました。Parabéns!!! おめでとうございます!!!
落合選手の安定感のあるディフェンスと、大和地選手の力強いアタックがハマる瞬間はまさに阿吽の呼吸。見ていてとても気持ちの良いラリーでした。試合中2人からはそれぞれ違う色の闘志が見えていました。試合終盤になるにつれ、その闘志は周りで観戦している選手たちにも伝染しているようでした。
■ミックスAカテゴリ

<ミックスAカテゴリ2位>落合真彩&岸田直也ペア

落合真彩&岸田直也ペアは、落合選手のしなやかなアタックから70km/h超えを連発し、岸田選手の安定感あるディフェンスとのコンビネーションでダブルカウントを連発。落球もかなり抑えた試合展開の中、最後の最後まで粘りのラリーで持ち堪え、予選は26,548点に着地。1位との差はなんと158点。僅差の中、翌日の決勝へ。立ち上がり、落球はないものの逸れた球が多くなかなか点数が伸びない中、尻上がりに調子を取り戻し、1分-2分の1分間には約7000点を記録。最後の1分は、アタックカウントが両者150球の上限を超えているため、よりスピードを上げてポイントを積み重ねる攻め方に変わり、落球も3球と、余裕のある中で80-90km/hを連発し、結果は26,397点。予選、決勝を合わせると52,945点。結果はSimone&Rogerペアに679点及ばず、準優勝となりました。
ブラジルの最終戦で各ペアかなり仕上がっている中で、堂々の準優勝でした。
Parabéns!!! おめでとうございます!!!
30,000点を超えてくるのではないかと、度々思せてくれた素晴らしいラリーを予選・決勝としてくれました。ダブルカウントでの点数の伸び方は、見ていてとても楽しいもので、カウントの入らない繋ぎの球や落球の1つ1つに、会場中が声援を送っていました。見ていてハラハラもしましたが、とにかくワクワクさせてくれたラリーでした!
<ミックスAカテゴリ10位>大和地未沙子&大和地亮太ペア

大和地未沙子&大和地亮太ペアは、安定感のあるラリーから試合に入って、落球も少なく前半を折り返します。アタックスピードも60-70キロが安定して出る大和地未沙子選手ですが、少しずつズレていくラリーの修正に時間が取られ、点数がなかなか伸びずに前半を折り返します。休憩後はより攻めたアタックを繰り広げ、ラスト30秒は限界突破したかのような執念のラリーで会場を沸かせました。結果は16,960点と予選10位で決勝へは上がることができませんでしたが、2人の今後のラリーにも活きる素晴らしい5分間でした。
2人が創り出すラリーの空気感は決して赤く燃え上がる闘志ではなく、人の温かみを感じる、愛のある夫婦としてのラリーでした。強い気持ちを感じる未沙子選手のアタックと絶対に落とさないという執念を感じる亮太選手のラリーはほっこりしながらも、気持ちの入るラリーでした!
■マスターカテゴリ

<マスターカテゴリ10位>後藤亨×後藤章子ペア

後藤亨×後藤章子ペアは、初のブラジル大会とは思えないほどの安定感と落ち着きで、この日のために日本でのシーズン後も練習を積み重ねてきたのが伝わってくる5分間でした。攻めるところは攻める、落ち着くところは落ち着く。お手本のような繋ぐラリーで8,903点を獲得。プレー中も時折見せる素敵な笑顔がとても印象的で、ブラジル選手をも魅了していました。ナイスラリー!!!
2人の笑顔は普段の生活から、練習、試合中までとても元気を与えるものでした。後藤亨選手はブラジルでの生活に慣れず、体調も優れない中での滞在でしたが、大会にはなんとか元気と笑顔を取り戻して来てくれました。「最高の5分間をやり切った!」と、この写真からも伝わってきます!
<マスターカテゴリ14位>鈴木夏子&仙道冬子ペア

鈴木夏子×仙道冬子ペアは、同じく初のブラジルで緊張した様子で試合がスタートしました。日本選手団の締めくくりの試合ということもあり、日本選手団一同でのサポート・応援でした。岸田選手がアドバイスを送って、ゲームメイクをする中、少しずつ落ち着いてプレーができるようになり、落球の少ない試合展開で会場を沸かせます。お互いを鼓舞しながら、ラリーが少しずつ安定していく様子はまさに「共創」。姉妹愛を感じ、心温まるフレスコボールの魅力を最大限に体現した2人でした。
このペアの存在は日本人選手団の心の安定剤でもありました。姉妹での愛溢れるコミュニケーションラリーに2日間の大会の疲れが飛ぶほどの達成感と感動を覚えています。試合の中でも成長していく2人の姿は生き方そのものでした。胸が暑くなるラリーをありがとうございました!
■交流枠
10月の『JBG®須磨フレスコボールワールドカップ2025』を契機に、リオデジャネイロフレスコボール連盟(FEFERJ)と世界初の国際組織『UAFI』設立に向けて基本合意しました。今までは日本代表選手の出場枠確保のために一年ごとに交渉を重ねていましたが、スムーズに出場を受け入れられるようになったことは大きな一歩。このたび相互連携を強化する狙いから、本大会にて日伯ペアによる「交流枠」が新設されることになりました。
2026年度以降のプログラム継続も見据え、選手団に出場希望を取った上で、全17組が交流枠に出場。2025年度日本代表ペアとして選出されながらも、ペアとしてのブラジル大会出場が叶わなかった杉村秀樹、井上和明選手がエントリー。また日伯交流を長年にわたり支え、選手団に帯同する五十嵐恭雄選手もアンバサダーとして出場しました。
新たな可能性を見出すべく、ブラジル選手のプレースタイルに触れるべく多くの選手が交流枠にて、ブラジル選手とのペアで躍動しました。
まずは、日本人選手団とペアを組んでくださったブラジル選手の皆さんに感謝申し上げたいと思います。交流枠を通じて、日本に持ち帰る技術・精神等が特に多い大会となったのではないでしょうか。
交流枠に関しては出場ペア名と結果のみとさせて頂きます。(出場順)
・後藤章子 & Ronei=8,100点
・大和地未沙子 & Lira=20,199点
・五十嵐恭雄 & Índio=16,461点
・鈴木夏子 & Emerson=3,810点
・五十嵐恭雄 & Lúcia=12,991点
・杉村秀樹 & Davidson=16,065点
・大和地未沙子 & Femanda=5,661点
・落合真彩 & Paul=9,218点
・杉村秀樹 & Maurição=16,819点
・宮脇勇輔 & Nunes=25,137点
・大和地亮太 & Rafael=21,983点
・岸田直也 & Gayan=31,908点
・五十嵐恭雄 & Lira=26,986点
・杉村秀樹 & Cláudia Carnavarro=16,819点
・井上和明 & Ronei=7,689点
・後藤亨 & Emerson=3,867点
ブラジル選手とのペアマッチングで、共通言語のないコミュニケーションの難しさを痛感したと同時に、フレスコボーラーのコミュニケーションはラケットとボールさえあればある程度伝わるなと感じました。
「コミュニケーションデザインスポーツ」とJFBA山下ディレクターが名付けましたが、まさにその通り。言葉が通じなくとも、身体を相対して、ラリーをすることでペアの中で新たな感情が生まれてくる。この感覚がコミュニケーションデザインそのものなのだと実感しました。
■総評(JFBA代表理事 窪島剣璽)
今大会は、プロカテゴリの全カテゴリで日本チームが堂々の2位入賞を果たし、日本チームの存在感をしっかり残す結果となりました。まずは入賞された皆様、本当におめでとうございます。 特に、男子プロカテゴリでは、日本として初となる表彰台となり、新たな歴史の1ページになりました。 そして今大会は、マスターカテゴリにおいて日本代表が大会史上初めて出場した大会でもありました。選手の皆様本当にお疲れ様でした。 今回の結果は、日本代表選手の皆様の地道な努力と、それを支えた地域クラブを中心としたフレスコボールコミュニティで勝ち取った成果になったと思います。 関係者の皆様に感謝するとともに、改めて、日本代表選手の皆様には敬意を評したいと思います。本当にお疲れ様でした!
■お問い合わせ
一般社団法人日本フレスコボール協会
電話番号:03-6304-3295
メール:contact@frescoball.org