日本時間の7日夜〜9日未明にかけて、ブラジル選手権が開催されアスリズムJAPANの面々が各カテゴリでパフォーマンスを行いました。
選手の皆様、本当にお疲れさまでした!
すでにTwitter、インスタ等SNSで結果をご存知の方もいらっしゃると思います。
入賞したペア、惜しくも入賞を逃したペアと結果はそれぞれではありましたが、それぞれがそれぞれのペアだから出せるビッグラリーを魅せてくれました。
女子カテゴリ結果
風味×宮山ペア 11位
落合×小澤ペア 7位
岡井×塩崎ペア 12位
男子カテゴリ結果
芝×長田ペア 6位
倉茂×赤塚ペア 5位
新城×斉藤ペア 3位
ミックスカテゴリ結果
岸田×小澤ペア 2位
五十嵐×落合ペア 優勝
ミックスカテゴリでは日本人ペアのワンツーフィニッシュ。
男子カテゴリでは3位入賞と素晴らしい結果を残してくれました。
入賞には届かずも、前述の通り全ペアが会場を沸かすビッグラリーを魅せ、日本人のレベルをきちんとブラジルで証明できたのではないかと思います。
そしてここからは、私個人の各試合の感想を書かせていただきます。
主観の記事は書くべきではないのかもしれませんが、どうしても書きたいのでお許しください。
代表全ペアの試合を生配信やアーカイブ動画で観させていただいた上での感想となります。
※あくまで私厚地の個人的見解ですので色々ご了承くださいませ。
大会初日は女子カテゴリの開催。
大会の一発目から3連続で、日本代表の出場となりました。
スピードガン計測のアタックスピードによる加点方式ということで、
開催までの期間、日本代表全ペアがフォアフォア(両方ともフォアハンドでアタックを打ち合う)のスタイルを練習していました。
フォアハンドのアタックをバックハンドのディフェンスで返す、という日本国内での基本スタイルを崩す難しい挑戦が各ペアに重くのしかかっていたと思います。
50km/h以上の打球でなければ得点として加算されないというルールなので、全員がその選択をせざるを得ない状況でした。
両者打ち合うということは、当然落球というリスクがつきまとうスタイルです。
その挑戦をぶつける本番。
トップバッターという緊張も当然あったと思う風味×宮山ペア。
その状況の中、果敢にフォアフォアでの加点を狙いに行く二人。
やはり打球がなかなか安定しづらい為、左右に振られ苦戦していましたがそれでも互いを想い一生懸命ボールを追う姿は、胸にくるものがありました。
確実に次の落合×小澤ペアに勇気を与えたはずです。
得点としては加点頻度と落球頻度のバランスに非常に苦しんだ5分間だったとは思いますが、見事に最後まで全力で打ち切りました。
そして落合×小澤ペア。
日本でもシーズン中たまに試合以外のオフの二人のラリーを見る場面があったのですが、その時に感じていたボールの伸び。
僕の感覚だと腕の振りの延長線上でボールが放たれているような、ストⅡでいうソニックブームのようなあの攻めている時の二人のラリーを観ることが出来ました。
ゾーンに入り切る前の落球で良い波を掴みきれなかったか・・・悔しさもあるでしょうが、ちゃんとラリーを楽しんでいるように見えた5分間で本当に嬉しかったです。
続く3組目、女子日本代表最後の出場岡井×塩崎ペア。
どんな時でも臆さないで笑って相手に打ち込めるペアという印象を僕はこの二人には持っていて、ブラジルでもそんな二人はちゃんと輝いていました。
もちろん焦りなどいろんな感情があったとは思いますが、本当に気が合ってる二人だけが出来るスピードの乗ったビッグラリーを魅せてくれたことに感謝します。
ブラジルの太陽よりも熱く晴れやかな二人のラリーは会場を沸かせていました。
惜しくも入賞こそなりませんでしたが、女子ペアの頑張りは翌日に確実にバトンをつなぎます。
加点頻度を上げる為に起きる落球リスクとのバランス。
つまり加点と減点のバランスを見直すきっかけ、選択肢を再度選手達に与えたのです。
翌日はミックスカテゴリからのスタート。
岸田×小澤ペアがまず出場。
二人は前日の経験を活かし、フォアバックの日本で二人が積み重ねてきた攻め↔守りのスタイルを選択しました。
ここで僕は驚きました。フォアフォアの練習を積み重ねていた選手がフォアバックをすることで、アタックの精度とスピードが段違いに伸びているということです。
ジャパンオープンの頃とは比にならないスピードで打ち込んでも、きっちり返ってくる。このルールだと加点頻度は半分にはなるが、落球リスクを極限まで少なくして確実に加点を積み上げることが出来ていたのです。
ミックスペアならではの、まとまったでも高温の青い炎のようなラリーで7000点台を叩き出します。
そして、五十嵐×落合ペア。
このペアが選択したのは、ずっと二人で調整してきたフォアフォア。
いつか動画で観たことのあるブラジル人ペアがやっているような力強さ。ここまで仕上げていたのかと思うほどにスピード感のあるテンポ良い打楽器かと思うようなラリーが続きます。
時間を忘れさせる二人のラリーの締めは、さらにスピードを上げた二人のアタックから五十嵐選手のブザービーター渾身の一撃。
落合選手が受け倒れるほどの打球でフィニッシュ。
9000点台を叩き出し、ミックスカテゴリで見事優勝。
岸田×小澤ペアもついで2位と、日本人ペアがワンツーフィニッシュを決めました。
本当におめでとうございます。
そして最後の男子カテゴリは、芝×長田ペアからの登場。
二人もアタックとディフェンス交互に入れ替えるスタイルを選択。しかし芝選手のディフェンスは50km/hを超えてカウントされるのではないかというほどに洗練されており、フォアフォア顔負けのラリーを展開。バランス点もきっちり取る為に15回交代と、勝ちに行く二人のスタイルでした。
長田選手も芝選手の強い打球をきっちり手元に返す精度でテンポを保ち素晴らしいラリーを魅せてくれました。
途中のごく僅か若干の打球のブレが収まっていればもっと伸びたであろう落球7回、減点なしの8000点台を叩き出します。
ブラジルに何度も挑戦している、常にブラジルを視野に入れ幾年も鍛錬してきた二人の強さを感じました。
続いてジャパンオープン優勝ペアの倉茂×赤塚ペア。
二人もフォアバックを選択し挑みます。日本でのシーズン通して戦ってきた二人のどのラリーよりも、安定したそして強くしなやかなラリー。
フォアフォアで調整していた二人が選んだフォアバックは、やはりこのペアも例外なく進化していました。
まっすぐ伸びる打球の応酬は二人をつなぐ糸のようにも見えましたし、鵠沼海岸で育んだ最高のラリーでした。
こちらも落球による減点なし、芝×長田ペアを若干上回る8000点台を叩き出します。
そして男子カテゴリのトリ、新城×斉藤ペア。
この二人が選択したのはフォアフォア。両者ともアタックスピードのベースを上げたうえで、フォアフォアによる得点頻度を高める戦法と理解。
フォアフォアにもかかわらず落球をしないよう、加点されるスピード周辺に落ち着かせて継続した加点を取るという作戦が見事にハマり、非常に安定した丁寧なラリーが続きます。最後はアタックバランスの調整でフォアバックに切替。9000点台を叩き出し、まさに二人の狙い通りの3位入賞だったと思います。
本当におめでとうございます。
風味×宮山ペアから始まり、最後の新城×斉藤ペアまでが僕にはすべてつながっていたように感じました。
もちろん各ペアの成績ではあるのですが、全員のバトンが最後きちんと新城×斉藤ペアまで渡されていた一連のストーリーのように見えました。
こんなスポーツはなかなか無いよな、というのが僕のまとめです。
僕個人として、はじめてシーズンを一周し、日本代表の戦いを観ることができた今回のブラジル選手権。
まず単純にこのブラジル選手権までの間に、全員が圧倒的にスキルアップしていたということに驚きました。
皆がそれぞれに努力している姿は見てはいましたが、ここまでプレイで見て取れる進化を遂げていたことに尊敬します。
協会だ、事務局長だ、運営だ、という色々を除いて、単純にスポーツ動画として観ていて面白かったです。
フレスコボールは面白い。
そう思わせてくれたのは日本代表だけではなく、すべてのフレスコボーラーです。
皆様にお礼を伝えたいと思います。ありがとうございます。
そして代表選手達は他のフレスコボーラーに刺激と感動を与え、そして技術を国内に持ち帰るはずです。
それがまたさらなる競技の拡大、普及に繋げられるよう協会としても頑張らなくてはならないなと深く思いました。
来年も面白みを伝えられるよう尽力いたしますので、引き続き皆様ご協力のほどよろしくお願いいたします。
まとまらない長文を大変失礼いたしました。